医療産業都市に千寿製薬が進出

神戸市は4日付けのプレスリリースにて「マイティア」ブランドで名の通った大阪の眼科製薬メーカーである千寿製薬の神戸医療産業都市進出を発表しました。千寿製薬自身も今回の進出についてプレスリリースを出しました。
進出地は第一三共の100%子会社であるアスビオファーマが鹿島リースから賃借していたビルです。同社は第一三共が業務の効率化・生産性向上を理由に解散し、研究拠点を東京に集約することを決定。150人の要員は東京に転籍となり、神戸での操業は前月で終了しました。
アスビオファーマが抜けた後、このビルの後継がどうなるのか非常に気になっていました。建物規模は地上6階、延床面積約16,000平方メートル。製薬企業の一棟借りが望ましく、大日本住友製薬が自社拠点を設ける構想があったので、同社の進出を密かに期待していたのですが、残念ながらそれは実現しませんでした。
しかしながら少なくとも後継として、製薬メーカーによる進出が実現に至った事にはホッとしました。千寿製薬は先月、大阪市中央区瓦町に新本社ビルを竣工させたばかりですが、更にはこの建物を取得した上で、神戸市内に散らばる研究開発拠点を集約。
同社の昨年の決算では売上高379億円、従業員数は911名の中堅製薬企業です。今年10月からこの新研究開発拠点を稼働を開始し、200名弱が勤務予定です。これは医療産業都市内においても最大規模の民間研究施設になります。
眼科医療は神戸医療産業都市において重要なポジションを占めるようになっており、昨年は神戸アイセンターが開業したり、理研チームによるiPS細胞を用いた網膜治療が成果を収めたりと、今後もますますその重要性を増していくものと思われます。そんな中での千寿製薬の拠点集約は同都市にプラスに働くものと期待されます。
category: ポートアイランドII期
国際くらしの医療館・神戸 新築工事

ポートアイランド二期地区で新たに着工した建物があります。建設地は港島南町の福山通運神戸中央支店と消費安全技術センターの間です。県立ごとも病院の南側となります。

建設されている建物は「国際くらしの医療館・神戸」。竹中工務店の設計・施工です。施設名だけでは一体どんな用途の建物なのか全く皆目見当がつきません。

現場にはクローラークレーンと三点式パイルドライバが投入されています。杭打ち工事が進められているものと思われます。セメントミルクプラントの頭がチラリと見えていますので、場所打ちコンクリート杭のようですね。埋立地ですが、特に地盤改良等も必要なさそうです。

計画されている建物は地上5階 延床面積5,554平方メートルの鉄骨造で、用途は事務所と工場となっています。事業主は西区に本社を構える株式会社エア・ウォーター防災。とても不思議な社名ですが、主要事業は医療機器、消化設備、呼吸器等の開発・製造を行い、防災としては振動装置も有している特殊な企業です。建物はアルミカーテンウォールに包まれた先端医療都市に相応しい外観を纏います。

エリアではトーカロ本社に続く大型の民間投資開発となります。建物は10月の竣工を予定しています。

おまけとなりますが、昨晩の神戸都心の夜景です。お気づきでしょうか。神戸関電ビルのライトアップが再開されました!画質が粗くて申し訳ないですが、近日中に再開を祝した特集記事を掲載しようと思います。
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県内初となる「ラウンドアバウト(環状交差点)」を見に行ってみた

兵庫県内初・神戸市内初の環状交差点「ラウンドアバウト」が、ポートアイランド二期地区に完成し、供用が開始されましたので、早速、見てきました。

こちらが実際に完成した実物です。場所はKCMI神戸医療イノベーションセンターのすぐ北側です。

中心に円形の中央分離帯があります。

交差点内に入る際には一時停止は不要ですが、交差点内を通行している車を妨げる事は出来ないので、「ゆずれ」の文字が路面に描かれています。

交差点内は矢印の方向に従って時計回りに通行します。

クルッと回って交差点に乗り入れるどの道路にも入って行く事ができます。

今回の導入はあくまでも試験的な位置付けかと思います。周囲には建物もなく、ほとんど車の通行もありません。さて、ラウンドアバウトのメリットは信号を設置する必要がないので、コスト削減と交差点交通をスムーズにする事が挙げられます。しかし都心や交通量の多い大通りに導入するには慎重な検討が必要です。交差点内はスムーズでもその先の道路に渋滞や流れが悪いと交差点内にまで影響し、結局、乗り入れる道路全てにおいて支障をきたす事になるからです。また歩行者の横断についても考えなければなりません。海外では複数車線を設けた巨大なラウンドアバウトが存在します。なかなか交差点から抜け出すのが難しそうです。ひとまずは広い道路が整備されているポートアイランド内での導入例を増やし、実績を積んで行くべきではないでしょうか。
category: ポートアイランドII期
クレヴィア神戸ポートアイランド

ポートアイランドにも分譲マンションの建設計画が複数進んでいます。利便性があまり良くないイメージがありますが、三宮からはポートライナーで直通ですし、大きな公園も多く、I期地区の中央エリアは静かな住環境が整い、イメージ程の不便さはないようです。伊藤忠都市開発が進めている「クレヴィア神戸ポートアイランド」はIKEA神戸店のすぐ西側に隣接し、ポートライナー南公園駅前という立地です。

現地仮囲いに掲示されている建物の完成予想パースです。設計施工を担当している長谷工コーポレーションの得意な板状マンションとなります。地上15階 延床面積14,341.93平方メートル 総戸数166戸の分譲マンションです。

躯体工事は7階まで完了し、これから8階に着手する段階まで進行しています。

南北に連なる敷地です。西側には駐車場やエントランスアプローチが整備される敷地計画です。目の前には南公園が広がるので開けた眺望や日当たりは確保されています。

南公園駅前の造成工事も始まっています。駅直結の歩行者デッキが整備され、県立こども病院と繋がる予定です。
category: ポートアイランドII期