こべるん ~変化していく神戸~

再開発や超高層ビルの誕生によって変化していく神戸の街並みを追っています。

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JR大阪駅周辺の風景に重ねる三宮の未来 

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JRや阪急の駅ビル、そごう建て替え、バスターミナルビル、市役所建て替え、三宮クロススクエア構想等が目白押しの三宮再開発は大阪、京都に遅れたからこそのメリットを活かして臨む必要があります。最新を摂り入れられるのと同時にデメリットの部分も修正してより完成度の高い仕上がりを可能にするのが後発のメリットです。

JR大阪駅北側の貨物駅跡地で進められている大規模再開発は完成済のグランフロントを第I期、地下に鉄道新線・駅の整備、敷設と敷地に大幅な緑地の導入を柱とした地上部の開発を第II期として、今後も大きな変貌を遂げていく予定です。

JR駅ビル「大阪ステーションシティ・ノースゲートビルディング」やグランフロントの間にある駅前のうめきた広場の様相から10年後の三宮を重ねて観察してみました。

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JR大阪駅の北側は車を完全にシャットアウトした訳ではありませんが、駅前にロータリーは設けず、歩車分離を徹底しています。よって歩行者空間がメインの造りとなっており、歩行者の車道横断は最低限です。

駅ビル中央部には大きなアトリウム空間が設けられており、地下、地上、上層階の回遊性と賑わいを創出する「ボイド」となっています。これは三宮の新ターミナルビルにもぜひとも採り入れて欲しい機能です。

三宮の新駅ビルで難しいのは、建物の正面がどこに設定されるのかです。三宮交差点に面する南側角が正面というのは無論の事ですが、南北の縦型に再編されるタクシープールに面したビル東側もミント神戸と向き合った正面という位置付けもできます。

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グランフロント前のうめきた広場は親水空間も多く採り入れられています。三宮クロススクエアのイメージパースでも人工の小河が流れていたりする様子が描かれていますので、イメージ的にはグランフロント周辺の現在の様子に近い光景となるのではないかと思われます。

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うめきた広場に植樹された立派なイチョウの木です。葺合南54号線のイチョウは枝を短く切られて何とも貧相です。これくらい伸び伸びとさせて欲しいですね。

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グランフロント南館の低層部は緩やかな曲面を描いたモダン且つ格子状のマリオンを重ねてクラシックさも醸し出した建物ですが、そごうの建て替えや神戸マルイのある三宮交差点南西街区にもこうした重厚感のある低層部とセットバックされた高層部を組み合わせた建物が1つの方向性として示されています。

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JRノースゲートビル1階に整備されたバスターミナル。縦列式に14バースが整備されています。規模的にも雲井通5・6丁目地区に整備されるバスターミナルよりほんの少し小さい位でしょうか。イメージ的には奥側がミント神戸のある西側で、コンフォートホテルが建設中の雲井通4丁目側から眺めたバスターミナル内の様子です。

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西梅田の再開発、ヨドバシ梅田の進出を経て、JR駅ビルを皮切りに一気に動き始めた梅田開発は百貨店の建て替え、老朽ビルを最新の超高層ビルへ更新、そして梅田貨物駅の再開発と面的な広がりを見せています。更にはこれらに触発されて茶屋町も独自の進化を遂げてきており、変貌の歩みを止める気配はありません。

大阪神ビル、大阪中央郵便局と並んで構想開示から長年に渡って具体的に計画が進んでいなかったプロジェクトの1つであったヨドバシ梅田の北側の開発用地。ようやくヨドバシカメラが着工を決定。商業施設とホテルから構成される地上34階建ての超高層複合ビル「ヨドバシ梅田タワー」の建設に乗り出しました。

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周囲が大規模再開発によって著しく変化して行く中、取り残され気味になっていたのが、芝田地区。老朽化した狭小ビルがひしめき合っているエリアですが、ここでも建て替えや土地の集約化は進み始めているようです。竣工したばかりのOSAKA UK GATE(写真右の黒いガラスビル)は新梅田ビルを建て替えたものですし、現在目下、建設中(写真左奥)はJR西日本が計画しているビジネスホテルで地上8階建、延床面積は約1万4千平方メートル、約400室を提供します。今後もエリア内の建て替えや再開発は加速していくものと思われます。

三宮も北側に老朽化した狭小ビルが密集しています。駅周辺の大規模再開発が進行していく中での更新が期待されます。

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梅田周辺では大規模再開発ビルの建設と共に歩行者デッキのネットワークの再編・再構築が進められています。特にこれまでJR駅ビルやヨドバシ梅田周辺では歩行者が不自然な程、不便な動線を強いられていましたが、この改善の為に大阪駅周辺一帯で新たなデッキ設置工事が進行中です。

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再編された市バス専用ターミナルです。JR大阪駅前ではタクシー、市バス、高速バスを完全にその用途に分けて三つのターミナルを別々に整備しています。

三宮の市バスは方面によって駅周辺に分散しており、使い慣れた人は苦にはならないでしょうが、新たな利用者は使い勝手が悪いので敬遠しがちです。一定の集約は必要でしょう。

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大阪市は駅前の東西地下道の拡張とリニューアルを進めています。これまで約8mだった歩道は倍の約15mに拡幅されます。また既存の歩道橋を改修して化粧直しを実施しています。

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かなり大規模な工事です。大阪市は順次、駅前周辺エリアの広場と歩行者ネットワークの刷新を進めています。

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新たに整備された歩行者デッキです。神戸のデッキとは異なり、屋根が付いているので天候に左右されずに移動が可能です。ただ三宮は駅前から車を排除する方向なので、今後、三層ネットワークも空中部分の必要性があまりなくなるのではないかと思います。

神戸と異なるのは大阪の場合、周囲の民間ビルが次々と自主的に建て替えや再開発を進めており、大阪市はそれに合わせて駅前周辺のインフラ整備やリニューアルを実施しているという事です。民主導官追従の開発です。

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三宮の駅前に誕生するクロススクエアはうめきた広場以上の規模となる歩行者空間です。開放感は素晴らしいものになるはずですし、他の大都市とも一線を画す駅前になる事でしょう。そして広場を囲むビル群も玄関口に相応しい風格を持った建物への更新が行われます。梅田程の規模を望むのは難しいとしても、次代の神戸に相応しい街への変貌が始まります。うめきた広場周辺はそんな未来の三宮を想像させてくれる上質な空間です。

category: 大阪

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2017/09/19 Tue. 06:00 [edit]   トラックバック: 0 | コメント: 35

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梅田1丁目1番地ビル計画(仮称)のI期工事 

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先日久しぶりに休日に梅田を訪れ、多少の時間があったので取材撮影を行いました。大阪を取材対象としたのは大阪ステーションシティの開業時以来なので、実に6年ぶりとなります。梅田は関西のまさに中枢である最重要拠点として常に進化を遂げる事を義務付けられている場所ですが、ここずっと取材を試みたいと思ってきたプロジェクトがありました。

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それは阪神百貨店梅田本店のある大阪神ビルと隣接する新阪急ビルを共同で建て替える大規模再開発プロジェクトです。

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まずはこの計画の概要から。2つの建物を集約化して1棟とし、百貨店、オフィス、カンファレンスホールから成る地上38階 地下3階 延床面積約260,000平方メートルの巨大な超高層複合ビルとなります。工事は二期に分かれており、まずI期目に新阪急ビルと大阪神ビルの東側の一部を解体して、高さ80mの商業棟を建設。阪神百貨店は大阪神ビル西側にて営業を継続し、I期部分が完成後に、新ビルに移転。II期は大阪神ビル西側を解体後、商業棟の西側を建設して、東側と連結一体化。その上にオフィスとなる高さ190mの高層棟を構築して、最終的に2022年に竣工を迎えるという計画です。

今回、このプロジェクトを取り上げた理由が、この計画の進捗がH2Oリテイリングによるそごう神戸店の建て替えと密接に関係している可能性が高いからです。同社代表の鈴木篤社長は早ければ、そごう神戸店の建て替え検討を2018年春から開始する事を示唆しています。これはこの梅田の計画のI期工事が完了し、阪神百貨店が新築ビルで部分開業を行う時期と重なります。

従ってこの計画が順調に進む事が神戸のプロジェクトの行方を左右するとも言えるのです。

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この大規模再開発計画は梅田1丁目1番地計画と名付けられ、竹中工務店単独のの設計施工で進められています。梅田の超一等地で進行しているこの一大プロジェクトは、その規模だけでなく様々な点で注目を集めています。

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低層部は元々、規模の大きな建物2棟を集約によって一体化しているので、その巨大さはまさに圧巻の一言に尽きます。御堂筋からでは正面から捉えようと思っても、大き過ぎで画角に収まり切りません。

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阪神百貨店の新しい梅田本店となる低層部は角度を付けた特徴的なカーテンウォールを纏い、向かい合う同じくH2Oグループ内の阪急梅田本店とは一線を画すデザインとなっています。

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地下2階-地上9階に延床面積約10万平方メートルで阪神百貨店が開業します。11階にはスカイロビーやコンファレンスゾーンが整備され、12-38階に基準階面積が4,500平方メートルに及ぶ西日本最大級の巨大なオフィスゾーンが誕生します。

注目点はこのビルの建設地は国の都市再生特別措置法に基づく「特定都市再生緊急整備地域」に指定されており、このお蔭で容積率は史上最高の2000%への緩和が認められました。

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また二つ目の注目点として、大阪神ビルと新阪急ビルを隔てていた市道を跨いで新ビルが建設されています。これも特定都市指定による規制緩和の1つとして認められた措置です。道路上空を有効活用し、不動産価値を高めます。

三宮の駅前周辺地区もこれらの規制緩和措置を受けられるようになりましたので、そごう神戸店の建て替えでも同様の措置実施が期待できます。この道路上空活用はそごうだけでなく、日生三宮駅前ビルとアイング三宮パーキングの再開発における建物一体化での採用を個人的には求めています。

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営業中の大阪神ビル西側です。スケジュールが順調に進めば、来春には解体が開始される運命です。

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この巨大プロジェクトも構想が明らかになってから、実際に着工に至るまで複数年の時間を要し、半ば、都市伝説化仕掛けていました(大阪中央郵便局跡地が今や同様になってしまっていますが)。

来春、阪神百貨店が新店舗で開業すると、H2Oとしてはまずはひと安心出来るという事でしょう。神戸に視線を向ける余裕が出てくるはずです。

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翻って阪急。やはり三宮には阪急でなくてはなりません。この本店を見上げて単純にそう思いました。

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10年ほど前までは西梅田を除けば、梅田の駅前周辺は三宮同様に老朽化した建物が多く、東京と比較して、関西の中枢を担う拠点としては物足りなさがありましたが、この10年で劇的な進化と変貌を遂げました。その風格は他を圧倒します。東京駅、名古屋駅、大阪駅の駅周辺はそれぞれが三大都市に相応しい景観形成と一等地としての高度利用が図られています。三宮がこれらに匹敵するのは難しいとしても、今後の開発で何処まで迫れるのか。その要素はすでに出揃い始めています。

梅田1丁目1番地ビル計画については今後も定期的に進捗を追っていきたいと思います。

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2017/09/06 Wed. 06:00 [edit]   トラックバック: 0 | コメント: 10

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大阪ステーションシティをレポート 

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JR西日本が総力を挙げて臨んだ大プロジェクトである大阪駅改良工事。同社管轄内において最大の乗降客数約85万人を誇り、国内でも東京・新宿、池袋に次ぐ有数の巨大ターミナルである同駅を30年ぶりに改良するにあたり、駅舎全域に渡り大改装を施し、北側に新たな超高層複合ビルを建設、南側の既存複合駅ビルを増床し、両ビルに挟まれた駅舎上に橋上通路と巨大屋根を設置するという大胆な発想を用い、2100億円の総事業費を投じて完成させた「大阪ステーションシティ」。二つの百貨店、ファッションビル、ホテル、オフィス、映画館を有する複合商業施設として生まれ変わったこの巨大駅ビルが、大阪市内のみならず、関西一円を巻き込んだ百貨店及び商業施設の消耗戦争を引き起こす着火点となったのは言うまでもありません。

この巨大プロジェクトを成し得たJR西は次に三ノ宮駅の改良工事構想を検討しています。神戸の話題のみを扱う当ブログですが、今回は特別番外編として、この改良工事において垣間見えた「新生三ノ宮駅」の将来像を考えつつ、「大阪ステーションシティ」を訪ねてみました。

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この新駅ビルのシンボルは何かと問われると、とにかく目玉施設がテンコ盛り状態で即答しかねますが、敢えて駅という施設本来の主用途に着眼点を置くと、巨大ドーム屋根に尽きると思います。東西長約180m、南北長約100m、最高部50mという規模を誇り、自然光をガラスパネルからふんだんに取り込む設計を採用。ホーム全体をドーム屋根で覆う方式は欧州のターミナル駅をはじめ世界で取り入れられていますが、これ程の規模は日本では初の試みと言って良いでしょう。

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迫力ある大吹き抜け空間ですが、この大屋根でも駅構内への雨の侵入は防ぎきれずに、撤去するはずだった各ホームの屋根が未だ残っており、JR西ではこれらのホーム屋根の透明化を検討しているようです。列車を降りたら開放感の醍醐味が興ざめです。更なる費用が掛かりますが、開口部に何らかの対策を施せないのでしょうか。設計ミスとは言い難いですが、開放感を求めた上での痛恨の極みですね。

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ドーム屋根下の中央に建設されたのがこの橋上通路。2層式で下のフロアは駅改札やコンコース、上のフロアは「時空(とき)の広場」と名付けられた巨大な公開空間として整備されています。新たなメイン改札や乗換え経路を設置したことで、ホーム階下のコンコースの混雑緩和を図り、南北間の回遊性を向上します。更に、現在、建設が進んでいる北ヤードの再開発プロジェクト「グランフロント大阪」が開業すると、南北をダイレクトに直結するこの通路の役割は飛躍的に高まることになるでしょう。

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橋上通路内のコンコースです。東西の壁面は開口部の大きなガラスとフレームで構成され、非常に明るく眺望にも優れた空間となっています。階高もおよそ2フロア分あり、駅というよりは空港をイメージさせる清潔感と開放感で、空港が飛行機の離着陸を見せて娯楽性・観光性を持たせるのと同様に、電車の発着をエンターテイメントとするアイディアは夢があります。その上でも現存ホーム屋根の撤去は必須です。

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「時空(とき)の広場」には金・銀二つの大時計が設置されています。またオープンカフェも開業し、待ち合わせ、憩い、集いの巨大空間を演出しています。ドーム屋根があってもなくても駅舎上の空間をこうした方法で活用できたことは大いに意義のあることだと思います。

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こちらがカフェの様子ですが、とにかく爽快で明るく、気持ちの良い空間ですね。ただ真夏や真冬はどうでしょうか。空港に関しては日本も世界もそんなに遜色ないかと思いますが、ここまで高度に発達した鉄道社会(恐らく世界一)を有する日本がこと駅(特に地上駅)に関して貧相な感は否めませんでした。これまでの開発も駅ビルの建替えに重点を置き、駅舎にはあまり力が注がれて来なかったので、大阪駅の今回のリニューアルはそんな日本の今後の鉄道駅改良に一石を投じることになるかもしれないと思いました。

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こちらは既存のホーム階下コンコースです。改良工事がスタートして早い段階から手が付けられて行きましたが、各部分の工事を少しずつ完了させていく方式によって長期間を要しました。とにかく元々、巨大だった大阪駅が更に巨大化したので、同駅の利用に慣れていない人にとっては更に複雑化が進みました。その為、道案内の表示はこれでもかという程の数が設置されています。

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総体的に今回のリニューアルで駅舎内は白、黒、グレーのモノトーンを基調とした色でまとめ、その中にアクセントとしてイエロー等の鮮やかな色をあしらい、コントラストを強く感じさせる構成となっています。清潔感と視認性、そしてモダンで高級感のある感覚を持たせたといったところでしょうか。しかし一部、コスト削減のためか美装化が中途半端なエリアやチープな部材が使われているのが分かる場所もあり、あまりにも巨大なターミナル駅全体を改良することの難しさも垣間見られました。

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さて、次は駅舎から駅ビルに話題を移します。駅北側に建設されたノースゲートビルは、これから発展を遂げる北ヤードへの玄関口として、その威容を誇るように聳えています。この巨大な建物を北側から眺めた場合、まず目を引くのは中央に鎮座する大アトリウム空間です。

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このアトリウム空間は先程の橋上通路と直結しています。こちらもドーム屋根同様に開放感溢れる吹き抜けが素晴らしいのですが、こちらも雨が降ると吹き込んでしまうようです。前方で建設が進む「グランフロント大阪」のAブロック棟と、新設される駅前広場を介して繋がる予定です。

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新しい街へ開ける玄関口として今後、様々な活用法が期待される空間です。また橋上駅、建物内の二つの商業ビル、既存ホーム階下コンコースを結節する中央アクセス点としての役割も担っています。この周囲は非常に目を見張るものがあるので、歩き回りましたが、そこで感じたのが動線の複雑さです。駅ビルという建物の構造上、アップダウンは避けては通れません。ビル上層部まで万遍無く人を回遊させる為にいかに工夫を凝らすかが課題です。橋上駅、時空の広場、既存コンコース、更にこれから紹介する駅ビルの屋上庭園等を結ぶエスカレーターが縦横無尽に張り巡らされていますが、各エスカレーター上での移動距離が長く時間も掛かります。立体通路も数多く、敢えて駅施設内で街歩きのような感覚を覚えさせるような仕掛けなのかもしれませんが、現在の開業集客効果がひと段落した時点で、この立体動線がどう評価されるのかに注目したいところです。

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アトリウム空間から梅田スカイビルの屋上庭園にアクセスするような長いエスカレーターを上がると、ビル10階にある「風の広場」に出ることが出来ます。ここはレストラン街、シネコン、オフィスタワーへの中間アクセス点的な位置付けにもなっています。植栽が行われた広場は屋上庭園として買物客、見物客、施設内就業者の憩いの場として賑わっています。広場に面してファミマがあったのには驚きましたが、なるほどこの位置付けならではの好立地だと感じました。

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風の広場からは更に上階へとアクセスできる長い階段が設置されています。基本的に建物内を歩かせようとする試みしょう。同様に階段で屋外庭園から庭園への移動といった形はすでになんばパークスで採用されています。パークスでも思ったことですが、緑の面積をもっと増やせないものかという気がします。重量等の関係で構造上の制限はあるかと思いますが、息苦しくなる都会のコンクリートジャングルの中でもっと緑や芝生の溢れる憩いの場が天空にあったら素敵だと思います。

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階段を登りきると最上階の天空の農園のある広場に出ます。梅田の超高層ビル群に取り囲まれたまさに都心の真っ只中。きっと夜景も素晴らしいことでしょう。新たなデートスポットとしても活躍しそうです。

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屋上広場と言えば、旧アクティ大阪を増床させて誕生した反対側のサウスゲートビルの10階にも「太陽の広場」と名付けられた屋上広場が設けられています。ここでも都心の空を満喫しながら、南側の眺望と軽食等を楽しむことができます。

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伊藤忠が本社を移すことで話題となったノースゲートビルのオフィスタワー。高層棟の14-28階に1フロア、1500平米の事務所スペースを提供する高さ150mの超高層ビルです。伊藤忠は20-27階に入居する予定で移転時期は今夏とされています。その他の全ての階も入居企業が決まり、満室稼動するそうです。やはり京都、神戸、新大阪、関空とどこへでも一本でアクセスできるJRの機動性が評価された結果だと思われます。ただデザイン等、周囲への及ぼす影響を考えると、このノースゲートビルのオフィスタワーは機能性に振り過ぎたような気がします。特に西面の壁面処理はもう少しどうにかならなかったのでしょうか。強い西日の射す面には事務室を向けず、極力窓を減らすことで室温上昇を防いで空調電力を抑える試みは評価できますが、建物のシンボル性を考えるともう少し工夫が欲しかったところです。

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ノースゲートビルの西側を陣取るJR大阪三越伊勢丹。北浜の大阪店を閉店した三越はそもそも現在のヨドバシカメラマルチメディア梅田のある北側一等地に出店を試みていました。旧国鉄清算事業団による同地の入札方式による売却において三越は最有力だったにも関わらず、土壇場でダークホースであったヨドバシに敗退し、その後、同社が伊勢丹との合併を経て、ようやく念願の大阪駅前出店が実現しました。同店はノースゲートビルの地下2階-地上10階に約5万平方メートルの売場面積を構えています。

JRによる新駅ビル+百貨店の勝利の方程式はこれまでも各地で実証されてきました。大阪駅に先行して開業したJR博多駅ビルの阪急も好調な滑り出しを見せました。しかし三越伊勢丹は施設としての集客力は抜群なものの、肝心の売上高は目標に届かず、開業月は同施設内に半分以下の売場面積で出店するJR西のファッションビル「ルクア」とほぼ変わらない40億円台。伊勢丹の自主編集売場等でも話題を集めつつも苦戦と誤算の文字が見え隠れします。もちろん東日本大震災後という特殊な状況もありますが、ルクアの好調ぶりと比較すると必ずしも震災の影響のみが要因とは思えません。この結果は、新駅ビル内の百貨店が独り勝ちする構造がもはや磐石ではないことを物語っています。

そもそも百貨店の在り方が問われ、次々に全国のデパートが姿を消していっている現況と、巨艦百貨店の本店がひしめき合う大阪都心において、いかにJR大阪駅ビル内とは言え新たな百貨店需要を掘り起こすことができるのかどうか疑問の声もありました。大阪百貨店戦争を引き起こした同店の苦戦スタートは皮肉な結果とも言えますが、今後、控えている阪急梅田本店や近鉄阿倍野本店等の巨艦店が全面建替開業を控える中、どう顧客獲得を進めながら独自色を出していくのか。今後の同店の動向が注視されます。

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一方でこちらが絶好調のルクア。JR西が満を持して臨むファッションビルの記念すべき1号店です。今後はJR東の運営する駅ビルファッションブランド「ルミネ」のように管内各地に出店し、ブランド価値を拡大していく方針です。ノースゲートビル東側の地下1階-地上10階の11層(売場面積約2万平方メートル)を占め、198店がひしめき合います。梅田・関西初出店を中心に女性とカップルをターゲットとしたテナント誘致策が功を奏し、早くもその存在感を誇示し始めています。開業効果が落ち着いた後もこの好調を維持し、知名度を高めることが今後のルクアブランド成功の鍵となるのは必至です。

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駅を挟んで対峙する大丸梅田店の入居する旧アクティ大阪は南側の駅前広場に地上15階建ての新ビルを増設し、サウスゲートビルとして生まれ変わりました。この再整備により大丸梅田店の売場面積は約1.6倍の6万4000平方メートルへと拡大。売場構成には心斎橋本店の北館で培ったノウハウを元に、従来型の百貨店に拘らない誘致策によってユニクロ、東急ハンズ、ポケモンセンター、トミカショップ等が入居。同百貨店の成功モデルとなった新売場業態戦略「うふふガールズ」を梅田店にも導入。この新たな顧客層獲得策が順調で、売上高は大幅増となっています。

駅の北と南に分かれた百貨店が対照的な開業を迎えましたが、今後の百貨店がどうあるべきかを考えさせられる結果となりました。

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次に新駅ビルと周辺施設のアクセスについて少し触れたいと思います。上で述べたように、北ヤード方面へのアクセスは先行開発区域であるグランフロント大阪の開業に併せて整備されるものと思われます。一方で現在、阪急梅田駅方面へは従来あった歩道橋を拡張整備し、ビル前にはカリヨン広場と呼ばれる新たな玄関口が設けられました。これによってこれまで御堂筋南口前の横断歩道に集中していたJR大阪駅から阪急方面における連絡は緩和が図られました。

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一方で不便なのがヨドバシ方面へのアクセスです。梅田エリアの歩道橋やデッキは必ずしも各施設に連結している訳ではなく、効率的な整備が行われているとは言い難いです。梅田はどちらかと言えば民間デベロッパーが主体となって個々に開発を進めてきた感があり、行政は地下開発に明け暮れた結果、世界一とも言える地下空間が梅田地区一体を連結するまでになりましたが、一方、地上部ではそれぞれの施設の連携はその圧倒的な通行量を考慮するとむしろ貧弱です。

大阪ステーションシティを回ってみて感じたことは、いかに駅及び施設利用者の滞在時間増加に力を注いでいるかという点です。とにかく要所要所に人の集える場所、憩えるスペースが設けられています。そしてそういったエリアには必ずベンチとカフェ、そして時計が設置されており、巨大な施設内を歩き疲れても容易に一息入れることが出来ます。ステーションシティの名のごとく、施設が一つの街として機能し、全国のJR各社が進めている「駅ナカ」の集大成のような施設という印象を受けました。

これは従来より巨大商業施設の集積拠点である梅田地区の特徴に最も適した開発手法であると言えます。最近では梅田エリアの開発も街歩きを楽しむことができる方向性に変化しつつありましたが、ここへ来て再び大規模開発による巨大施設の集積化が一層進む様相を示しています。更にグランフロント大阪にも8万平方メートルの商業施設が誕生するということでますます巨大施設の梅田一極集中に拍車が掛かります。

巨大な大阪ステーションシティを徘徊した後、三宮に戻ってくるとJR三ノ宮駅周辺の敷地の狭さを痛感しました。やはり新駅ビルは駅舎を覆う形で建物を建設しなければ十分な床面積も駅周辺の広場確保も難しいです。しかし神戸の場合、梅田のように巨大施設がひしめき合って凌ぎを削る箱型の都市ではなく、駅前から二つの百貨店の間を結ぶ多種多様な路面店街を人が回遊するという面的広がりが強味です。神戸の開発にはこれを活かしながら強化していくことが必要とされる為、三ノ宮の新駅ビルは大阪駅のように施設内に人を留めてしまう構成ではなく、一旦は神戸に人を呼び込みつつもそれを吐き出し、そして最後にまた吸い込むというような仕掛けと工夫が必要であると思われます。JR西は成功しているルクアの2号店を三宮へと言及しています。ルクアブランドが十分に関西一円から西日本中へ浸透した後に、三ノ宮店が開業すればこれまで神戸マルイやイケア等が四国・岡山方面からも集客してきたのと同様以上に広域集客効果を期待することができます。

昨今に開業した空港が単なる交通拠点ではなく集客力を持つ娯楽施設へと変化を遂げてきているように、単なる巨大駅ではなく、同時に単なる巨大駅ビルではない、それが大阪ステーションシティが開業後たったの1ヶ月で1,000万人以上の来客を達成した秘密と魅力ではないでしょうか。これは集客・観光を主眼とする再開発において非常に重要なことです。三ノ宮駅改修には官民が協力し合い、ぜひとも神戸に相応しい方法で、同様に人を集めることができる知恵と工夫を凝らし、そしてそれに見合った十分な投資が行われることを願って止みません。


category: 大阪

2011/07/05 Tue. 21:13 [edit]   トラックバック: 0 | コメント: 9

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