こべるん ~変化していく神戸~

再開発や超高層ビルの誕生によって変化していく神戸の街並みを追っています。

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神戸に観光客をどうやって呼び込むか 

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大型客船の寄港数が過去最多を記録してもポートターミナルから大型バスに分乗して大阪や京都に繰り出す外国人観光客。神戸は素通りというタイトルの新聞記事が踊りました。関西三都の中で大阪、京都が多分にインバウンド需要の恩恵を受けている一方、神戸はその需要を取りこぼしてしまっています。その要因と共にどの様に対応すれば現況を変えることができるのか。今回は神戸の観光について考えてみたいと思います。

関西の訪日外国人客は8割が大阪府と京都に集中し、兵庫県の2014年消費額は431億円で大阪府の16%に留まるそうです。関空の入国者数も2月単月は成田を越えたそうです。この大半を占めるのが団体ツアーで訪れる中国人観光客です。初めて日本を訪れる人々にとって大阪・京都はやはり外せない人気都市で初訪日で神戸がまず第一の目的地として選ばれることは知名度の点からも難しそうです。

ではなぜ神戸は選ばれないのか。大阪や京都は個性が強過ぎる他、提供するコンテンツが豊富です。これら二都市と比べると分が悪いのは一定レベルにおいては致し方ありません。しかし根本的な問題は神戸自身にあるようです。

とある海外の旅行情報掲示板でこんなタイトルのスレッドを見つけました。

『Should I visit Kobe? 神戸を訪ねるべき?』

これはある海外の方が10日間の西日本旅行を計画しており、大阪を宿泊拠点として京都、奈良、姫路、広島等を周遊する予定を立てた際、1日空きが出るのでこれを神戸に充てるべきかどうかを尋ねたところ、数多くの返答があったようです。この方自身もそれまでにネットで調べたところ、神戸を訪れるには十分な理由が見当たらないのだが、訪れない事で見逃してはならない物を見逃して後悔したくないという気持ちからこのスレッドを立てたとのこと。

この質問に対する回答は・・・

「その1日は京都か大阪に充てた方が良い。神戸は観光客にはお勧めしない。住むのには最高だろうけど。」
「神戸以外にも西日本にはもっと素晴らしい所が沢山ある。」
「神戸に住んでいたことがあって好きな街だけれど、1日を神戸に充てるのは厳しいかも。」
「1日を費やしたけど、知り合いがいたから。とても良い街ではあったけど、神戸に行く特別な理由があるのならお勧め。でも神戸以外にも見るべき場所は沢山あるはず。」

これらの回答に対してスレッドを立てた本人の結論は・・・

「神戸はやっぱり飛ばしても差支えなさそう。」

非常に残念な結論です。実際に住んでいた人、実際に訪れた事がある人も含めて神戸に対する印象は「観光客にはあまりお勧めすることができない。なぜなら見るべき物が無いから。」

これを読み解くと、せっかく日本に行くのだから、日本でしか見れない物、日本でしかできない体験をしたい=神戸で見れる物、できる事は海外の他の都市でも可能という事になります。日本国内では山と海に囲まれた風光明媚な港町且つ大都市は神戸の専売特許ですが、海外に目を向ければそういった都市は沢山あります。

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否定的な意見や回答が多い中、以下のようなコメントがありました。

「神戸には12年住んでるけど、確かに1週間しか滞在しない人にとっては神戸は退屈かもしれない。でも関西周遊を考えるなら、神戸程、宿泊拠点に適した場所はない。関西に来る家族、友人、知り合いには常に神戸を拠点にすることを勧めている。新神戸からは姫路も広島も近いし、京都も大阪へのアクセスも良好。」

このコメントはある意味、神戸の現状を的確に表現しており、今後の神戸が立てるべき戦略について回答を示している気がします。ローマは一日にして成らず。他都市にあって神戸に無い物をいくら追及しても二番煎じになるだけですし、中途半端になるだけ。神戸にしか無い物を磨くしかありません。

住むのには最高と評価される神戸はゆったりとした雰囲気と程良い都会感、そしてコンパクトで交通利便性が整った快適都市です。まずは神戸を宿泊拠点としてアピールするべきではないでしょうか。ウォーターフロントを抱える神戸はシティリゾート感たっぷり。

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神戸を拠点として関西を、西日本を周遊して貰えるようアピールし、その体制をハード・ソフト面から整備する事が必要ではないでしょうか。ハード面では利便性の高い三宮や元町の駅前、快適性の高い旧居留地、リゾート感溢れるウォーターフロントエリアに良質なホテルを整備。知名度の高い外資系ホテルも複数誘致。周遊拠点としての利便性を高める為、ホテルと三宮駅間の交通網を構築。短期的には各主要ホテルと三宮駅前を周回するループバス、長期的にはLRTを整備します。

日本人も海外旅行した場合、日数を重ねるとどうしても現地の食事に飽きてきて日本食が恋しくなります。その逆も然り。ヘルシーな日本食に飽きた観光客が自国の料理を食べたいと思った際にも神戸は幅広く対応できます。イスラム教のモスクもあります。そういった意味でも神戸は過密な旅行日程で疲れた観光客を癒すことができます。ソフト面ではこうした快適拠点性の発信が必要です。また都心内での快適性の向上(各ホテル、公共交通機関等の人員や街中の案内表示における多言語対応、無料Wifi等)も必須です。

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海外への情報発信ですが、最近は神戸市がソーシャルメディアを利用して外国人アンバサダーを選任して彼等に発信をして貰うという試みを始めました。これに加えて海外で知名度の高い著名人の力を借りるのも一つの手です。以前、読者の方からメジャーリーガーのイチロー選手に神戸の観光大使を依頼すればどうかというアイディアについてコメントを頂きました。同選手の神戸愛は非常に深く、毎年、シーズンオフ時には神戸に来て自主トレに励んでいます。彼に神戸をアピールをして貰えれば米国を初め、野球の盛んな国々への反響は少なくないと思われます。また引退してしまってはいますが、元NBAのスター選手のKobe Briant氏にも依頼をしてはどうでしょうか。その氏名に「神戸」を持つ彼程、神戸をアピールに相応しい人物もいないのではないでしょうか。まずは彼を神戸に招き、本場の神戸牛を堪能して貰い、そしておおいに神戸を世界に向けて喧伝して貰う。この二人の力を借りられれば、神戸の魅力をより効果的に発信できるはずです(税金なので、渡航費や宿泊費は負担しても、できればノーギャラでお願いしたいですが)。

category: 提言

2016/06/03 Fri. 06:00 [edit]   トラックバック: 0 | コメント: 33

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神戸市に期待すること 

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先日、三宮の「再整備基本構想」の方向性を発表した神戸市。この内容に触れた記事に対しては皆様から様々なコメント・反響を頂戴しましたが、ほぼ9割の方が落胆・否定的な意見をもたれていました。このブログをご覧になられている皆様は特に神戸の開発、活性化を強く願っている方ばかりですから、これは重く受け止められるべきです。今回の市の示した方向性だけでなく、久元市長が職に就いてから過去約2年間、都心・三宮開発方針について様々なイベントや検討会等が行われてきました。しかしその最終的な結論に近いと思われる結果物が先日の指針かと思うと大きな落胆と危機感に近い想いに駆られます。

フラワーロードや県道21号線の車線を減幅させて広場化するようなことは物理的にはやろうと思えばいつでもできることです。我々が市に求めている事・期待している事はそんなことではありません。

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我々の望んでいる事は他都市の勢いに比較して活力を失い、一向に具体的な再開発の進まない三宮駅周辺で実際に事が起きるよう促進させる事ではないでしょうか。150万都市の玄関口としてはあまりにも貧弱な駅前の姿である根本的な理由は駅前を取り囲む老朽化したビル群です。これらの建替と街区再編が進まなければいくら駅前広場を広げても変わりはありません。広場の拡大や回遊性の向上、景観統一等は周囲の再開発と一緒に進められるべきであって、ビル群の建替と街区再編をいかに促していくかに知恵と労力を費やすべきです。

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市は中央区役と勤労会館を市庁舎2号館を活用し、これらを移設して種地を作ることを検討しています。つまりは連鎖型の再開発手法を進めることを念頭に置いているわけです。

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商業施設がその中心である駅前周辺の建物建替を進めるにはこれらの施設の稼働に支障をきたさずに再開発ができる連鎖型開発が最適です。一施設を解体して再開発し、その新しい建物に近隣建物からテナントが移り、次にその近隣建物を解体して再開発。その連鎖を周囲に広げていくという開発手法です。こうした連鎖型再開発が進むよう建物を所有する民間業者、オーナーに働きかけ、コーディネートを行う役割を市が担うべきなのです。都心の再開発を市が全面的に前に出て進めるのではなく、再開発が進むよう黒子に徹して欲しいです。

その連鎖が起きるきっかけとなり得るのがJRの新駅ビルです。

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JR駅ビル内に向いのそごうが移転すればそごう街区を建替えることができます。ただその為にはJRは自社ビルフロアの大きな面積を百貨店側に貸し出さなければなりません。大阪の伊勢丹で痛い目をみているJRが難色を示すのは目に見えています。またルクアの2号店を出したいという意向もあるでしょう。そこで市が容積率の緩和や優遇制度活用をJRに提示して、そごうもルクアも入居できるような建物にできるように図ります。そしてこの連鎖建替に同意して貰えるようJR、そごう、そごうの建物を所有する他地権者に働き掛け行うのです。

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JRの駅ビル建替には他線への乗り換えや回遊性を向上させるために駅舎の改築も含めた総合的な再開発が進むよう市もポートライナー駅舎の移設等を含める形でJRと協議します。その中で阪急との連携もありますので、市の検討する一体的な『駅空間』を駅舎や駅ビル等、駅を構成する全ての建物を含めた形でコーディネートするのも市の役目であるべきです。

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阪急新駅ビルについては現在の神戸阪急ビル東館の敷地は1000平方メートル程度しかないので、今のままでは三宮を大幅に活性化させる事ができるような再開発は不可能です。市営地下鉄乗り入れ後にこれは延期せざるを得ないとしても最大限の効果が得られるようパイ山公園の活用も検討すべきです。広場機能は残しつつ、上空を阪急のビルの一部として活用できないかというアイディアが出てきても良いかと思います。国際会館のようなビルのピロティ内にある半屋外的な広場でも良いのではないでしょうか。これも市が動かなければ実現できません。

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次にそごう街区の建替ですが、この次の連鎖が起きるべきはマルイのある街区でしょう。ここはマルイのビルを所有する竹中工務店をはじめ多くの地権者がおり、再開発はより難易度の高い街区ではありますが、神戸の玄関口を最もみすぼらく見せている根源の場所でありますので、この場所の再開発はまさに悲願です。ぜひともこの連鎖型再開発に組み込まれることで実現して欲しいと思います。そごう街区にもしマルイが移転、しかしマルイだけではビルを埋めるのが難しい場合はこの一等地ですから進出の機会を伺って名乗りを上げる流通大手は必ずいるはずです。

マルイ街区の再開発はセンター街の在り方にも一石を投じる事になります。ここからさんセンタープラザとセンター街の再開発へと道が開けていくことになるのではないかと思われます。

こうした具体的な建物の建替を進める過程で、建物の意匠がバラバラにならないよう一定のルールやコンセプトを設けたり、広場の拡張、デッキや地下街の経路再編、街灯や案内板のデザイン統一等を同時に進めるべきでしょう。

ここに述べた事はあくまでも私個人の自論です。しかし少なくとも個人的には神戸市が三宮の開発方針を発表と聞いて期待したい事はこういった具体的な構想であって、こうした具体的な開発案の中でバスターミナルの集約化、広場の整備、LRT・BRTの新交通システム、回遊性の向上案も同時に盛り込まれて欲しいのです。

また建物の建替にはオフィス機能の三宮集積を進める事も必須となります。首都圏からの本社機能移転を促進するために国よりも手厚い税制優遇制度を施行したようですが、それでも現実にはそう簡単に企業移転は進みません。制度を作るのはスタートラインです。三宮にはP&G、ネスレ、イーライリリー等、世界に名だたる国際企業の日本本社が集まっています。これは大きなアドバンテージです。首都圏に拠点を置く他外資系企業に直接、移転についての働きかけを行うべきです。企業誘致は地道な営業活動です。市長・市職員自ら足を使って欲しい。そしてビル建替を検討するオーナーと結びつけ、再開発の花を咲かるのです。三宮ビル北館にて森本倉庫とP&Gという成功例があるわけですから。また利害の一致する企業との連携もおおいに活用するべきです。神戸の活性化を応援してくれる東京資本のデベロッパーもいます。また市内に分散している企業エリアの都心への再集約も進めるべきだと私は考えています。

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駅前に立派な駅ビルや商業施設、オフィスビルが建つことだけが風格のある駅前像では決してありません。しかし活力のある都市の駅前一等地は自ずとそうなるのです。そこで他都市との差別化を図るのであれば、建物の意匠に神戸らしさを求めるよう統一ルールを設けたり(例えば大丸神戸店のような外観を持った建物への建替を推奨・促進)、駅前の旧居留地化によって三宮の南側一帯を洗練された雰囲気に作り替える事で一歩駅の外に出ると神戸に来たと感じさせる事ができるようになるでしょう。

難しいのは百も承知です。かと言って道路の幅を縮めて広場にするだけで本当に他都市に負けない活力を三宮に取り戻せるのか。9月の発表には一歩どころか十歩以上現状より踏み込んだ具体的な計画を示して欲しい。いや示されなければなりません。もう言葉遊びと妄想パースには飽き飽きです。

category: 提言

2015/06/01 Mon. 07:00 [edit]   トラックバック: 0 | コメント: 13

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三宮東地区と神戸市庁舎2号館を考える -第2次サンシティ構想- 

タイトルフラッシュを再度、編集しなおしました。オリジナル画像の変更に加えて、今回は中高度航空障害灯及び高高度灯を持つ建物を全て単独で動かしてよりリアルにしてみました。前回より本物チックになったんではないかと思います。出来映えには満足していますが、まだ改善点は幾つもあります。ちょっとここまで来ると、どれだけ暇人なのかもしくは変態かっていう領域ですね・・・。あとは観覧車を動かしたいのですがこれは障害灯よりも遥かに難易度が上なので、また後日、研究したいと思います(ちょっと心配なのが、アクセスし辛い方が出てきていないでしょうか)。

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今回は久しぶりに「考える」シリーズです。前々から取り上げたかったのですが、なかなか手が付けられなかったので一念発起で取り組んでみました。今回は三宮東地区について考えてみたいと思います。

そもそもこの記事を書くきっかけとなったのは上の写真です。現在、大規模再開発が進められている旭通4丁目地区とJR三ノ宮駅を結ぶこの三宮あじさい通り。1ヘクタールに及ぶ巨大複合開発エリアと表玄関であるターミナル駅を結ぶアクセス路としては幅員やその利用状況に非常に問題を抱えていると言って過言ではないでしょう。

この状況は正直、このエリア全体の位置付けを色濃く物語っているような気がしてなりません。表玄関から徒歩1分の立地にも関わらず、三宮東地区が裏庭的な様相を呈しているのは構造上や地区計画上の問題が大きいかと思われます。三宮東地区は戦後、闇市を移転させたエリアとしていち早く復興しましたが、都心地区の再開発が急速に開始された昭和30年代、センター街を中心にさんプラザ等の大型再開発ビルが続々と誕生した西エリアに対し、老朽化した木造家屋が密集した同エリアの相対的地位低下は免れませんでした。

50年代に入り、この状況を改善する為に神戸市が主導となって同地区の再開発基本計画「サンシティ計画」が策定され、サンピア、ツイン雲井、そしてサンパル等の当時最先端の再開発ビルが建設されました。

しかしこれらの組合施工の再開発は街区毎にバラバラに行われた結果、街一体としての方向性が定まらず、結局は木造の建物がコンクリートの建物へ取って変わっただけの商住混在の密集市街地のまま今日に至っています。街区内は区画整理されているものの、道路幅は狭く安全性が高いとは言えません。また旭通4丁目は再開発組合設立後も地権者間の意見がまとまらず計画は頓挫を繰り返し、エリアの活性化は遅々として進まないままでした。

平成2年、神戸新聞会館の真裏にあたり、同地区では最も駅寄りの雲井通6丁目の区画にサンシティビルが竣工しました。核テナントに日本初進出となる仏百貨店「プランタン」を誘致し、同エリア発展の起爆材的な拠点施設として開業しました。しかし開業後わずか5年で阪神大震災に見舞われ、プランタンを運営していたダイエーは三宮地区にあるほぼ全ての商業ビルが壊滅的に被災した為に、被災店舗を集約する為に同ビルを百貨店からダイエーへ転換せざるを得ませんでした。

近年では神戸新聞会館跡地に高層複合ビルのミント神戸が建設された為に、さらに駅裏感が増しています。とにかく再開発に時間が掛かりすぎて、各ビルの開業スパンが数十年にも渡ってしまい、初期の頃の建物はすでに老朽化してしまっているという悪循環が更に地区の地位低下に拍車を掛けています。

旭通4丁目の開発を機に同エリアのポテンシャルを活かして、駅直近エリアの雲井通5・6丁目、旭通5丁目の3区画を第2次サンシティ計画として都心に相応しい環境を整える為の再構築を行うことが私の考えですが、まずは地区内に現存する建物を見ていきましょう。

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まずは雲井通5丁目の区画から。この区画には北側にサンパル、南側に中央区役所と勤労会館、中央東側にホテル東横イン等が存在しています。

地権者26名による組合施工方式で再開発された雲井通5丁目地区の0.4ヘクタールには地上10階 地下2階の複合ビルサンパルが誕生しました。竣工は昭和57年竣工。

現在のフロア用途と概要:

地下1階-地上2階 店舗
地上3階-地上10階 オフィス
延床面積:24,500㎡

開業当時には風車のあるビルとして話題を集め、一時は大型書店等も入居して集客力のある商業施設でしたが、これらのテナントは退去しており、また上階のオフィス階はほぼ市の外郭団体が占め、ほぼ三宮庁舎の状態となっています。築30年を迎えて建物内外にも老朽化が目立ち、空テナントも増加中で、再々開発が望ましい状況となっています。

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サンパルの南側が中央区役所と神戸市勤労会館。サンパルとほぼ同時に一体開発が行われた同区画南側は公共施設の建物が締めています。赤レンガの重厚な雰囲気を持たせてデザインを統一したツインビルです。

これらの建物の中間に位置するのがビジネスホテルの東横イン。惜しまれて閉館した映画館「三宮アサヒシネマ」跡に建設されました。

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この区画は東横イン以外はほぼ市の公共施設的な役割を果たしている建物のみで構成されていると言えます。従って東横インおよびサンパルの地権者との調整が可能であれば、市が主導となって再開発を推進することは実現可能であると言えます。

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次に雲井通6丁目地区。エリアでは最も新しい再開発ビル「サンシティビル」が北側の大部分(0.7ヘクタール)を締めています。

サンシティビル概要

規模:地上9階 地下2階
延床面積:36,800㎡
竣工:平成2年
核テナント:ダイエー三宮駅前店(ベスト電器・ジュンク堂三宮駅前店を含む)
他テナント店舗

ミント神戸の裏となってしまいましたが、元は百貨店が運営されていただけに建物のグレードは高く、加えてダイエーを核店舗しており、集客効果を高める為に2階にはスターバックス、上層階にはベスト電器やジュンク堂書店を誘致しています。駅からデッキで直結している為、隣接するサンパルとは異なり、周囲を含んで賑わいを生み出しています。

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サンシティの南側に位置するのが東急インを核テナントとしたコスモビル。東急インは昭和61年開業。駅前立地とあってビジネス・観光拠点として人気のあるホテルではありますが、この建物もすでに外観を含めた老朽化が目立っています。

これら2区画と旭通4丁目に囲まれた三角地的なエリアが旭通5丁目。狭小雑居ビルが密集し、立地を考えても高度利用されているとは程遠い区域です。


さてここからは第2次サンシティ計画を実際にどのように進めていくべきかに話題を移します。

雲井通5・6丁目、旭通4・5丁目を対象地域とします。この4地区を総合的に開発することができれば3ヘクタール以上の大規模再開発となり、新たな都心エリア形成区の高度利用と地区の活性化、そして近畿における三宮の地位向上と神戸地区全体の底上げが期待できます。とにかく土地のない神戸都心部でしかも駅前近接地区にこれだけの開発区域が誕生すれば、人の流れは一変し、これに危機感を覚えるセンター街を中心とする西側エリアでも老朽化した「さんセンタープラザ」等の建替え議論が動き出すかもしれません。

開発手法については以下のプランを検討してはどうでしょうか。

プランI

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旭通4丁目を含めて4区画をまとめて総合的に一つの街として再開発。現在進行中の旭通4をI期地区、それ以外の3区画をII期地区として整備。区域内の道路配置等も見直しを施し、駅方向からのアクセスも改善。ペデストリアンデッキを街区中心部にまで延長する。

建設する商業施設には都市型SCを低層部に配し、地権者店舗の他、核テナントとして神戸進出を示唆したパルコやSHIBUYA109、ヨドバシカメラを軸として、地元企業にもおおいに参加して貰うため、ダイエー再生を担う次世代店舗、ジュンク堂書店の大型店舗も誘致した集客力抜群のプラン。大阪・天王寺のあべのQ's Mallにヒントを得ていますが、神戸的(欧風的?)な味付けや洗練性を加えると共に、完全屋内型のモールではなく屋外緑化と庭園整備を行って、季節を問わず内外に開けた施設とします。

基本階の低層階は来街者が施設内を回廊によって回遊することができ、中央部にシンボルスクエアを持った円形モール型とし、一部の建物を超高層化。ホテル、住宅、オフィスを配した地上40階クラスの複合ビルとしてシティタワー神戸三宮と共にエリアのシンボルとします。

3プランの中では最も大規模且つ費用の掛かる案です。三宮エリアの人の流れを劇的に変えてしまうようなまさに起爆剤としての役割を果たすことができるかと思いますが、危機感を覚えたセンター街や居留地を含めた元町エリアの再開発にも風穴を開けることができるかもしれません。そしてこうした再開発が進められる際にも、三宮東地区が神戸からの買い物客流出を食い止めて役割を担い、開発完成後には新旧エリアの相乗効果で神戸全体の底上げが期待できます。

三宮の駅前という立地条件と集客力及び成長ポテンシャルを考慮すればデベロッパーにとっても魅力的に映るはずです。

プランII

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雲井通5・6丁目をA地区、B地区、北側の三角地である旭通5丁目をC地区とする。

A地区、B地区にはそれぞれ大型の再開発ビルを建設。

A地区のビルには核テナントにこれまで通りのダイエーを配すものの、売場面積は縮小。地下2階を生活用品や雑貨のフロアとし、地下1階と地上1階の2フロアは食品及び惣菜や和洋菓子店等を備えたデパ地下型の店舗とする。2-8階まではファッションビルとし、パルコを誘致。9階より上層はセットバックし、9階はレストラン街と屋上庭園を整備。10階より上層階(20階程度)はホテルとして再度、東横インが入居。

B地区はヨドバシカメラに売却して、同社が地上10階程度の自社ビルを建設。Kobe-Yodobashiとして核店舗にマルチメディア神戸を据え、上層階には大型カフェを併設したジュンク堂書店を誘致。

C地区は敢えて低層の建物でまとめる。清潔感のあるモダンな箱を機能的に配し、街路樹も多く植栽、石畳の路面店街に変貌させて、地権者店舗及び新テナントを募り、歩くのが楽しい街に。

IとIIIの折衷案的なプランです。街の骨格はさほど変えずにビルの更新と密集市街地の高度利用を促し、街の性格を安全で賑わいあるものへと改良を施します。

プランIII

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雲井通5丁目のみを再開発。プランII同様に区画全てをヨドバシカメラへ売却。東横インは東急イン東隣のコインパーキングの土地をヨドバシが買い上げ、代替地として同ホテルへ提供。ヨドバシの神戸進出を実現化。上層階にパーキングを備えた建物になる為に、周辺の渋滞を避ける目的で周辺の道路幅員を拡張。

開発エリアは最低限に留め、現実的にはもっとも具現化しそうなプランです。

プランI~III全てに付随させて、整備中の阪神三宮駅東口とのアクセスを確保。加えて駅舎の改修が検討されているJR駅三ノ宮駅に至ってはこの機会に合わせて、東端にコンコースもしくは橋上通路を設けて新改札口を設置。再開発地区への玄関口としての機能を持たせて、駅裏ではなく「表」としての活性化を促進します。

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これらのプランを通して共通する課題として、雲井通6丁目地区で現在、稼働している中央区役所、勤労会館及び三宮図書館、そしてサンパル内の市外郭団体オフィス等の受け皿の必要性です。補完先として登場するのが旧神戸市役所本庁舎・現2号館。元は地上8階建てだった同庁舎は震災による屈折倒壊で6階以上の階を撤去する方式で補修が施されて再利用されています。震災後、どの程度の耐震補強が行われたのかは定かではありませんが、老朽化及び一等地の有効活用といった観点から、建替えによる新ビル活用が重要事項かと思われます。

この2号館の建替事業には中央市民病院のように民間資本を活用したPFI方式を採用。具体的には土地は市が所有したまま民間デベロッパーに新ビルを建設させ、雲井通5丁目の売却益の一部を建設費の補助金として交付。

新ビルは高層化して、低層階に雲井通から中央区役所や勤労会館を移設、高層階はデベロッパーの運営する賃貸オフィスに。市の公共施設の入居賃料とデペロッパーの土地賃借料を相殺する形でビルを運営。建物管理はデベロッパーが行います。

最高層の数フロアには大倉山から中央図書館を移転整備(跡地の売却益も新ビルの運営費用に一部充当します)。日本一の高さにある図書館として眺望や夜景も楽しむことが出来る展望図書館として話題を集め、蔵書を充実させて市民の利用を促進します。現在よりもアクセスの良い環境に利用者は増加することでしょう。


まとめとなりますが、以上のことから高いポテンシャルを秘めた三宮東地区は開発余地のあまり残されていない神戸の都心エリアにおいては貴重な存在であり、旭通4丁目の再開発完了がサンシティ計画の終焉とするべきではないと思われます。都心エリアでは早い段階で再開発の進んだ地区は、新たに再々開発が必要とされる時期を迎えています。

開業ラッシュの第一段階によって生じた梅田地区への一極集中による神戸地区への影響はとりあえず落ち着きを見せ始め、一時的に減少した各百貨店の売上高も回復に転じたようです。今後、阪急梅田本店建替えのII期棟やグランフロント内の商業施設開業も控えていますが、懸念されていた程の神戸への影響は少なく、神戸の商圏は一定の独立性を保っていることが立証されました。

しかしこの状況に安心して気を抜くべきではなく、寧ろ都市間競争に挑むべく他地域からの吸引力を高める策を講じ続ける必要はあります。

旭通計画が順調に進行している今、JR三ノ宮駅の改修と駅ビルの建替計画と併せる形で三宮東地区の開発構想を固めて、萎縮及び膠着状態に陥いりつつある神戸都心全体の新陳代謝を促す強制力としての働きを期待したいものです。


category: 提言

2011/08/31 Wed. 21:54 [edit]   トラックバック: 0 | コメント: 11

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波止場町3丁目のパーキングを考える 

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移転計画について当ブログの記事で触れた第五管区海上保安本部の入る神戸第二地方合同庁舎が先日の尖閣諸島で起こった接触事件のビデオ流出ニュースで連日、写真や映像としてメディアに登場しています。最近、神戸の名をメディアで目にするのは負のニュースばかりでちょっと気が滅入ります。

メディアついでにもう1件。阪急阪神の運営会社であるH2Oリーティリングがオープンを控える博多阪急をターミナル駅最後の再開発案件としつつ、12年で賃借契約の切れる神戸阪急の撤退を示唆するような報道がありました。う?ん・・・この表現はあまり好ましくないですね。現ハーバーからの撤退はやむを得ないとしても、ターミナル駅最後というのは三宮を無視しているとも取られかねない表現です。

全国の政令市でJRによる駅ビル建替えが進行or計画中です。仙台も30階の超高層駅ビル計画が公表となりました。JR北海道は札幌駅を、JR東は仙台駅、東京駅、新宿駅、横浜駅、千葉駅を、JR東海は名古屋駅、JR西は京都駅、大阪駅、博多駅。新興政令市はさておき、残されたのは川崎、広島、神戸のみです。 

さて今回の本題に入ります。今回は皆さんもなぜに?ここに?こんなに?と思われたこともあるかもしれません、ホテルオークラの北側、阪神高速道路の高架との間に挟まれた広大な青空駐車場「メリケンパーク駐車場」です。

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東西に細長く広がるこの駐車場は西端の兵庫国道事務所ビルや中途半端なミニ公園までを含めると東西に250m、南北に100mと推定2.5ヘクタールの巨大な敷地であることがわかります。この土地は神戸市みなと総局によって運営される市有地です。

位置的には今後、開発が予定されているかもめりあ東地区、海岸通移転計画エリア、第一突堤に囲まれる中心にあります。ウォーターフロントを神戸再生の要としている市に都心に隣接したこの巨大な再開発用地を有効的に活用し、活性化に繋げるビジョンはないのでしょうか。

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正直、この駐車場が満車になっていることを見たことがありません。現状が有効的な活用だとは到底思えません。

さて、ではどういった活用法が考えられ最も神戸の活性化に寄与できる開発手法なのでしょうか。

1.商業地区
2.業務地区
3.住宅・文教地区
4.憩いのエリア
5.コンベンション地区
6.娯楽・エンターテイメント地区

一手法に凝り固めてしまうには勿体無い立地条件ですので、複合的な活用が望ましいですが、4の憩いのエリアはすぐ南のメリケンパークや波止場町1丁目等すでに十分過ぎる程確保されてるはずですので外すとして、1-3を絡めて複合都市としての再開発はできないものでしょうか。新たな商業施設の乱立は避けたい所ではありますが、都心域であれば周辺地区からの流入によって相乗効果で三宮・元町の活性化に繋がる可能性も大きいです。モザイクは別としてハーバーもこの位置であればまた現状とは違った在り方になっていたかもしれません。三宮・元町との連続性を保てる位置です。

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なんばパークスやキャナルシティ博多を参考にしつつ、これらが内向きに施設を配置しているのに対し、外向きに構成して人の流れを閉じ込めずに取り込んでは周囲に吐き出すような流れを生み出すことのできる仕掛けが理想です。箱的な施設ではなく汐留のイタリア街のような街並みを丸々出現させてしまうなんていうのも面白いかもしれません。地下一帯には巨大で格安な駐車場を用意し、車で訪れる人もここを基点に神戸を歩き回って貰う。梅田が電車で集客するなら、神戸は車での訪問客を取り込むのです。もちろん周囲では渋滞が激しく予想されるので、動線を綿密に練り上げる必要はあります。

私個人的には超高層ビルが2-3棟建ったら萌えですが、単にそうなるべき土地ではありませんし、皆さんはどんな活用法をこの土地に想い描くのでしょうか。 

category: 提言

2010/11/12 Fri. 21:41 [edit]   トラックバック: 0 | コメント: 10

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